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Kein Entrinnen.
来日当時のジャズ・メッセンジャーズのメンバーは、
御大アート・ブレイキーを筆頭に、
リー・モーガン
ウェイン・ショーター
ボビー・ティモンズ
ジミー・メリット
あまりの大歓迎ぶりに一番びっくりしたのは本人たちです。
自分たちの演奏が、国営放送で全国に流されると知って、
「マジかよ!?」状態だったとか。
アメリカでもそんなことはなかったんです。
そして、さらにアート・ブレイキーを驚かせることがあったのです。それは、、、空港には熱狂的なファンが多数ブレイキー一味を出迎えました。
それだけでも彼らにしてみたら、
「誰かVIPでも飛行機に乗っているのか?」というほどの仰天モノなのに、
全員が自分たちを迎えに来ていると知ったブレイキーは、大泣きしたそうです。
すると、ファンの一人がブレイキーにおずおずと近づいて来て、こう言ったのです。熱狂ファン「ミスター・ブレイキー!お願いがあります。」
ブレイキー「何だい?」
熱狂ファン「僕と一緒に写真を撮って下さいませんか?」
ブレイキー「は?本気か?」
熱狂ファン「もちろんです!是非、是非お願いします。」
ブレイキー「俺は黒人だが・・・そんな俺と同じ写真に写っていいのかい?」
熱狂ファン「そんなこと知ってますよ。是非お願いします。記念にしたいんです。」
ブレイキー「俺は黒人だぜ。本当にいいのか?」アート・ブレイキーは知らなかったんですね。
日本には、黒人を差別するなどという、
極めて下劣で低俗な習慣など、これっぽっちもないということを。。。
同じ人間を「肌が黒い」というだけで蔑むような考えを持つものなど、
この国には一人もいないということを。。。その時、ブレイキーは初めて知ったんです。
この国の人たちは、自分たち黒人を差別しない。
この国の人たちは、本当に自分たちの演奏を聴きたがっている。
この国の人たちは、自分たちの演奏が大好きで、心から自分たちをリスペクトしてくれる。
国籍も人種もまったく違う日本人が、ただただ自分たちの音楽を賞賛してくれている。当時のアート・ブレイキーと言ったら、ジャズ・シーンのスーパー・スターです。
そんなブレイキーでも本国アメリカでは、ごく普通に差別されていた・・・
そんな時、日本国民は、素晴らしい音楽を日本まで運んで来てくれたスーパー・スター、
アート・ブレイキーに心から感謝し、尊敬し、それをごく普通に、態度で示したのです。
これって、涙が出るほど、素晴らしいことですよね。のちにアート・ブレイキーはこう語ったそうです。
「我々を人間として迎えてくれたのは、アフリカと日本だけだ」
大の親日家になったブレイキーは、その後、日本女性を妻に娶りました。